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「土産菓子と知財」

2023.09.11

本年度に入り対面で集まる機会が復活し、県外への出張も増えてきました。広島からの手土産、そして出張先で土産菓子を選ぶのが楽しみのひとつで、駅構内を見て回る時間を出来るだけ確保するようにしています。
何度も訪れていると、「ここ平日だと全然並んでないのにな~」とか、構内に掲示されたお土産ランキングのポスターを見て、「ホントか?」等と、若干歪んだ見方をしてしまうのですが、数ある土産菓子店の中でも、平日休日問わずいつも行列が出来ているお店があります。似たようなお菓子が同じ駅構内で売られているにも関わらず、やはり本家には長い行列が。私は両方買ったことがありますが、同時に購入して比較したわけではないので、味の違いを聞かれると正直説明できません。それでもつい行列に並んでしまうのは、「○○○のお土産」というブランド力でしょうか。ブランド名といえば商標、当然ながら「○○○」については商標登録がなされておりました。
一方、見た目が特徴的な土産菓子もあります。特徴ある形状を保護するといえば、意匠登録が思い浮かびます。データベースで食品の意匠登録を見るのは結構面白くて、「あの土産菓子の形状って意匠登録されてたんだ~、どうりであのお店しか販売してないんだ~」等といった気付きもあります。しかし実は、意匠登録の中で食品の登録は、相対的に多くありません。食品形状が知的財産として権利化できるということが知られていないのか、知ってて使われていないのか、ヒットした時にはもう既に遅し(発売から1年経過していた)だったのか・・・業界の皆さまにヒアリングしてみたいものです。
詰め合わせ形状についても意匠登録できる可能性がありますし、「映え」が重要視される昨今、食品の意匠登録はもっと戦略的に使える場面が多いのではと思っています。

日本弁理士会中国会 弁理士 T.S