今回は、恥を晒すことになりますが、有難い職権訂正についてのお話をしようと思います。
「職権訂正って何？」と疑問に思われた方は、事務能力の極めて高い方ですね。職権訂正とは、明らかな誤記を特許庁が補正命令を出すことなく職権で訂正してくれることです。
例えば、【識別番号】の欄に住所を書いてしまったりすると、【識別番号】を【住所又は居所】に訂正します、といった内容の「ファイル訂正通知書」が送られてきます。昔は担当官から「職権で訂正しておきますね」と優しいお電話を頂戴していたので「申し訳ありません」と猛省したものですが、最近は電子データということもあり「すいませ～ん。ありがとうご
ざいます」と、いそいそとファイルにしまうことにしています。
恥かきついでにもう一つ。【あて先】の欄に「特許長官」と記載してしまった時には慌てて自発補正を行いましたが、職権訂正はかからなかったかも・・・と思います。というのも、担当審査官のお名前を間違えてしまい「大変失礼致しました」と謝ったら、「そんなことはどうでもいいんですよ、庁は出願番号で動いてますから」と、冷たく言われたことがあるからです。どうでもよくないのだと思い、それ以来審査官のお名前は１０回ぐらい見直しています。

日本弁理士会中国会 弁理士 Ｍ．Ｉ