この７月から新紙幣が発行されましたが、皆様のお手元には既に届いているでしょうか？まだまだ諭吉先生が優勢ではありますが、新紙幣を初めて手にした際には栄一先生のお顔を始めとして、精巧な文様、美しい建築物や植物等をじっくりと眺められていることと思います。１００００円を示す数字は、老眼にもびっくりな大きさで、とても親切ですよね。
このような紙幣のデザインは、国立印刷局の工芸官の皆様が心血を注いで創り上げたものですから著作物です。著作物ということは、勝手にデザインとして利用したら国立印刷局から著作権侵害とクレームを受け・・・ません。というのも、日本の紙幣のデザインは告示により官報で公示されますので、著作権法第１３条に規定された「権利の目的とならない著作物」に該当し、著作権法の保護対象外だからです。因みに、貨幣のデザインもまた、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行令」で定められていますので保護対象外です。安心して紙幣をデザインとして利用することが出来ます。但し、紙幣や貨幣に関しては、刑法、通貨及証券模造取締法、貨幣損傷等取締法といった文字面も怖い法律がありますので、くれぐれもこれらの法律に反しない方法で利用してくださいね。

日本弁理士会中国会 弁理士 Ｍ．Ｉ