知財コラム

「商標・ネーミングの選択」

商標「コナミスポーツクラブマスターズ」と商標「マスターズ」は非類似、(平成 30 年(行ヶ)第 10154 号)、商標「キリンコーン」と商標「キリン」は類似する(平成 30 年(行ヶ)第 10019 号)。結合商標の類否判断は、一体観察により判断される場合と分離観察により判断される場合があります。その基準は、「商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される」とされますが、これが難しいです。例えば、牛の絵に「EMPIRE/STEAK HOUSE」と二段書きにした商標は、商標「EMPIRE」に類似する(令和元年(行ヶ)第 10104 号)。これは、確かに「EMPIRE」が「STEAK HOUSE」より大きく記載され、しかも両者の間に赤色の二重線が配されているので分離観察されたものと解されます。出願人が気に入った商標・ネーミングを出願時に類似の商標がありますと言われても、変更するのは大変難しいところがあります。結合商標を出願するときはそれなりに意味づけをしておくのが良いと思います。すなわち、視覚、称呼又は観念上一体的なまとまりがあるように構成単語の選択、案出しを図ることが価値ある商標権の取得に結びつくと思われます。なお、商標は、上記のような標章と指定商品又は指定役務の両者が類似しているときに類似とされるので、特許庁ホームページの「特許情報プラットフォーム」の商標を調査し、該当商標の指定商品又は指定役務の下蘭に記載の類似群コードが同一でないならばひとまず安心ということになります。

(日本弁理士会中国会 弁理士 鶴亀 國康 )

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