「コンピュータ関係の特許出願」
2020.07.01
特許私はコンピュータ関係(特にソフトウェア)の特許出願を扱うことが多いのですが、この分野の出願ですと、図面にコンピュータの構成のブロック図が含まれることが多いです。つまり、演算装置(CPU等)、記憶装置、入出力装置などがブロックで描かれ、それらが互いに線で接続されている図です。最近それを眺めていて、ふと思いました。確かに技術の進歩は早く、具体的な装置は以前と変
わってしまいましたが、このようにブロック図で表現すると昔から殆ど変わっていないなあと思ったのです。
例えば、今では多くの人が持っているスマートフォンですが、これも特許的に言えばコンピュータの一種です。特許の明細書では、コンピュータを「情報処理装置」などと言ったりします。通常のPCの場合は入力装置としてキーボードとマウスを使うことが多いですが、スマートフォンの場合はタッチパネルやマイクでの音声入力を使うことが多いと思います。これらは外見上もメカニズムも全く異なる装置ですが、上記のブロック図で表現すれば同じ「入力装置」です。
また、外部記憶装置について言えば、最近はHDDやSSD、USBメモリなどが主流になっているかと思いますが、以前は、FD(フロッピーディスク)やMO(光磁気ディスク)も広く使われていました。そう言えば、私は中学生の頃に初めてパソコンを買ってもらったのですが、その時の外部記憶装置はカセットテープでした。私以上の世代の方ですと懐かしく思い出される方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、以前と大きく変わった点もあります。最近はコンピュータがネットワークで外部とつながっているため、情報が記憶装置に記憶されずに、外部のサーバ等に記憶される場合も多くなっています。このため、適切な権利範囲が得られるように、特に、特許請求の範囲を記載するときには注意が必要となります。
(日本弁理士会中国会 弁理士 立石 博臣 )