知財コラム

「AI関連技術の相談」

最近何かとAIが話題になることが多いかと思います。特許庁でも平成31年3月にAI関連技術に関する特許審査事例集を公表しており、特許分野でも関心が高いことがわかります。これは特許事務所も同じでして、最近、特許の相談で
もAI関連技術が増えています。
出願を急ぐ関係か、十分実証されていないような印象の相談もあります。しかし、特許庁の特許審査事例集で説明されていますように、記載要件、進歩性等の要件を満たさないと特許を受けることができません。例えば、教師データを用いてAIに学習させて、何らかの処理をするにしても、教師データに含まれる複数のデータの間に「相関関係」が推認できないと記載要件を満たさない場合があります(例えば、事例46-48)。
AIと言っても、統計学的には回帰、分類、クラスタリング・・等様々な種類があります。そこで、相談されている案件がどれに該当するのか、そこから把握して、特許庁の特許審査事例集の「相関関係」が必要なのかを検討したりしています。
しかし、そのようにして、相談案件を把握したとしても、もっと大きな問題があります。そう、新規性、進歩性の問題です。AIが最近話題だからと言って、そのAIが最近の技術とは限りません。現在のAIは3次ブームと言われており、その前の一次ブーム、二次ブームがあります。特許調査をすると、二次ブームの頃の特許文献にAIを利用することが示唆されていた、ということもあります。
案外と古い技術であったりして先人の技術開発に感心することもあります。なかなか難しいものです。

(日本弁理士会中国会 弁理士 秋山 雅則 )

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