知財コラム

「最近の出来事で考えたこと」

2020年の年初から始まったコロナウィルスの感染拡大は、私の周りにも色々な 影響を与えています。ただ、知的財産権という分野においては、医薬品やワクチン 等の直接的にこの感染を収束させる分野はもちろんですが、「三密を避ける」等の 新たな生活様式が可能となる装置や方法等が考えられているように感じています。 もちろん、これらの中には、従来からの技術を応用する程度のものもあるでしょう が、コロナ拡大に伴う実体験から創造された新たな視点からの装置や方法について は、特許出願が可能なものもあると思われます。
コロナウィルスの感染拡大については、人類にとって不幸な出来事ですが、新た な発明が生まれるチャンスである様にも感じています。
ところで10月から、ビール風味飲料(第三のビール等)の税金が上がりました。 これは、ビールと、ビールと同じ様なビール風味飲料の税率を今後統一していくた めのものだそうです。
ビール風味飲料については、酒税法上のビールの定義に該当しない発泡酒などで あれば、発泡酒やその他の安い税率が適用できるため、近年大手ビール製造会社が、 様々なタイプのビール風味飲料を製造販売し、ビールに代わる飲料として人気があ ります。
コロナで家飲みが増えたためにこの話題を出す訳ではありませんが、そもそもビ ールの税率が高いこと自体について酒好きの私は不満です。しかし、ビールの税率 が高いことが引き金になり、ビール風味飲料の分野で、新たな飲料が創作されたこ とは意味があると思います。特に、単に安いだけでなく、ビールの原材料や製法の 基準に入らないようにするため、新たな原材料や製造方法を創作し、健康を気にし なくてはならなくなった私にとっては、「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」や「低カロ
リー」等の健康に良さそうな謳い文句を表示したビール風味飲料には食指が動きま す。
このように、税率を逆手にとって新たな商品が開発されることは、私の仕事分野 である知的財産権からは興味が沸いてきます。実際、「特許情報プラットフォーム」 で「発明の名称」を「ビール風味」として検索すると、数十件ヒットしました。ビ ールの税率が高いことは、酒飲みにとっては不幸であったかもしれませんが、健康 に良いという付加価値を付けたビール風味飲料が創作され市場ができたことは、幸 いではなかったかと思っています。

(日本弁理士会中国会 弁理士 木村 正彦 )

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