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「発明・権利の活用」

2021.01.20

新型コロナの猛威に仕事の依頼が無くなりはしないかと気をもむこの頃ですが、 弁理士として気がかりなことがあります。発明の活用と、大企業に関わる中小企 業の悩みです。先ず、発明の活用について説明します。弁理士の主たる業務は、 知的財産権の取得のための努力です。特に大企業の依頼ではその傾向が強くなり ます。しかし、個人、ベンチャなど小企業の発明を手がけると、その発明の権利 取得後の活用に悩むことがあります。せいぜい、補助金や支援金の紹介、インタ ーネットでPRする手もよいと助言する程度です。弁理士が権利者と権利活用を 共にやる余裕はないのが実情です。そこで、「知財の活用」について調べると、 特許庁の事業である、「第 8 章 知的財産活動の活性化のための取組 (https://www.jpo.go.jp/introduction/rekishi/document/125th_kinenshi/08_00.pdf)」 の報告書があります。
これに記載の例えば、「知的財産権取引事業者データベー ス」は、小企業が利用するにはハードルが高いかも知れません。しかし、「特許 ビジネス市」や「特許流通フェア」に注目しました。「特許ビジネス市」につい て、『2003 年度から 2009 年度までに・・総計 127 件の特許ライセンス契約及び特許 譲渡契約が成立している。また、近年は、特許ビジネス市と同様の手法を取り入 れたイベントが各自治体において独自に企画・開催されており、INPIT では、この ような各自治体で独自に開催される「地域版特許ビジネス市」を 2006 年度より支 援している。』とあります。常設の「特許ビジネス市」があればすばらしいと思 われます。また、PATRADE 株式会社(https://www.atpress.ne.jp/news/184873) は、営業としてマッチング事業を行っており、「これまで特許業務法人コスモス 国際特許商標事務所(本社:名古屋市中区)の知財マッチング推進チームとして活 動してきており・・これまでに 10 件以上の知財マッチング事業を実行してきまし た。」と記載されています。
知財活用について同様な関心を持つ弁理士と話題にしたことがありますが、大き な特許事務所でなくても同様なものができればよいです。

(日本弁理士会中国会 弁理士 鶴亀 國康 )