知財コラム

「共同開発契約」

特許出願等の相談を受けていますと、取引先から共同開発の契約書案が送られてきたが、その案で問題がないか、取引先に共同開発をもちかけたいが、そのときに提示する契約書案にはどのようなものがよいのか、といった共同開発契約の相談を受けることがあります。自社以外の方が入って開発をされるのですから、期待があるだけでなく、不安もあるでしょうから、契約は大丈夫だろうかと考えて相談されるのは自然なことのように思われます。しかし、残念なことにトラブルが多いようでして、近年、公正取引委員会の実態調査により、ノウハウや知財の搾取といった問題が明らかになっています。
この共同開発契約ですが、昨年の夏に、特許庁と経済産業省が上記の問題をなくすために「モデル契約書」という文書を公表しています。公正取引委員会と連携して作成されたとのことで、公平な契約を目指すための取り組みのようです。立場によりいろいろと考え方はあるのかもしませんが、もし契約で悩まされているようでしたら、「モデル契約書」の一読をお勧めします。共同研究契約、ライセンス契約等の交渉で留意したほうがよいことや契約の条項の意味がわかりやく解説されていますので、ご自身が検討されている契約について理解が進むのではないかと思われます。今後、モデルが増えていくようでして、個人的には、この取り組みに期待するところです。

(日本弁理士会中国会 弁理士 秋山 雅則 )

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