知財コラム

「海外における冒認商標出願対策」

今年開催された東京オリンピックのメダリストの氏名、ニックネーム等を表した商標が中国において多数冒認出願されていることが報道されています。中国人のメダリストはもとより、日本人の金メダリストである堀米雄斗選手の氏名も衣類に関する分類で出願されているようです。中国の国家知識産権局商標局は中国人のメダリストに関する商標登録出願を列挙し、中国商標法第 10 条 1.8 項(公序良俗)に基づいてそれらの出願を却下する旨の公示をしています。日本人のメダリストの氏名等に関する冒認出願の扱いは不明ですが、例えば、その名前が「中国国内でよく知られた名前」であることを証明できれば、商標登録を無効にできるかもしれません。
日本人の金メダリストの氏名に限らず、これまでも海外における商標の冒認出願はたびたび問題になっています。そのような冒認出願の最も効果的な対策は、海外で先に商標登録をしておくことですが、それによる利益とその取得や維持に係る手間や費用等の負担とのトレードオフを考慮する必要があります。対策が後手にまわり、正当な権利を有しない他者によって冒認商標が出願・登録される事例が少なくないようです。
海外における商標の冒認出願でお困りの方は、弁理士にご相談ください。また、特許庁 HP には、「海外における商標の抜け駆け出願(冒認商標)対策」や、「中国・台湾で日本の地名や、自身の商標が他者により出願登録された場合の総合的支援策について」が公表されていますので、ご参照ください。

(日本弁理士会中国会 弁理士 須田 英一 )

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