知財コラム

「発明者の表示」

最近、AI(人工知能)の名前を発明者の欄に記載した特許出願が各国に出されて話題になっています。米国や欧州ではAIを発明者として認めないとの判断がされていますが、オーストラリアでは地裁の判決ですがAIを発明者として認めるとの判断が下されました。
日本では、特許法で願書に発明者の氏名の記載が求められていることなどから、発明者は自然人に限られると解されています。AIが発明者になれるかどうかは別として、特許発明において誰が発明者になるかはとても重要なことです。なぜなら、発明が完成したときに、その発明について特許を受ける権利は発明者に帰属しているからです。企業が特許出願をするときは、発明者から特許を受ける権利を譲り受けて出願することになります。もし、発明者と思っていた方が真の発明者でない場合は、その方には特許を受ける権利が発生しませんので、企業にも特許を受ける権利が譲渡されていないことになります。
特許法には発明者の定義はありませんが、発明者とは、発明の創作行為に現実に加担した者だけを指し、単なる補助者、助言者、資金の提供者あるいは単に命令を下した者は、発明者とはならないと解されています。たまに発明者に関する紛争もありますので、発明者の表示にも気を付けるようにしましょう。

(日本弁理士会中国会 弁理士 中野 圭二 )

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