知財コラム

「口頭審理」

私もこの業界に携わるようになってから、それなりに時間が経ちましたが、先日、初めて無効審判の口頭審理を経験させて頂きました。口頭審理とは、審判官(合議体)、請求人、被請求人の出席の下において、口頭で主張を行う手続きであり、合議体が争点や技術内容を正確に把握するのに役立つものとされています。
この口頭審理ですが、令和3年特許法等改正に伴って、審判長の判断により、当事者等が審判廷に出頭することなくオンラインにおいて口頭審理の期日における手続きを行うことができるようになりました。そして、今回の口頭審理では、こちら側の代理人が特許庁の審判廷に出頭する一方、相手方の代理人がオンラインで出頭するという形で手続きが進められました。このオンラインを利用した口頭審理は、実施可能となってからまだ日が浅く、一方のみがオンラインで出頭する形は、めずらしいとのことでした。
昨今のコロナ禍において、皆さんもオンライン会議を多くなされるようになったかと思いますが、マイクをOFFにしたまま喋り続けたなど、多少なりともトラブルをご経験されているのではないでしょうか?
今回の口頭審理でもオンライン故のトラブルが発生しました。一時休廷後、関係者全員が着座していたので、審理が再開されたのですが、1分ぐらい経過したときに、相手方の代理人がおもむろに立ち上がり!?画面から消えてしまいました。相手方の弁理士以外は、全員審判廷にいますので、みんな呆気に取られてしまい、特に、審判長はかなり焦られていました。どうやら、休廷中からスピーカをOFFにされたままにされており、一方で、カメラに向かってきちんと着座されていたことから、こちら側からは、声が届いているものだと勘違いし、審理を再開してしまったが故のトラブルでした。幸い、すぐに席に戻られてきてスピーカをONにされたので、事なきを得ましたが、何とも印象深い初めての口頭審理となりました。

(日本弁理士会中国会 弁理士 大西 渉)

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