知財コラム

「マルチマルチクレームの制限について」

昨年 12 月に開催された産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会にて、マルチマルチクレームを制限する方針が示され、特許法および実用新案法の施行規則が改正されることとなりました。
2022 年 4 月 1 日に施行が予定されています。
マルチクレームとは、他の2以上のクレームを引用するクレームのことであり、例えば、以下のような請求項において、請求項3がマルチクレームに該当します。
請求項1 Aを含む組成物。
請求項2 Bをさらに含む請求項1に記載の組成物。
請求項3 Cをさらに含む請求項1又は2に記載の組成物。
マルチマルチクレームとは、マルチクレームを少なくとも1つ引用するマルチクレームのことであり、例えば、以下の請求項4、5がマルチマルチクレームに該当します。
請求項4 Dをさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
請求項5 Eをさらに含む請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
このようなマルチマルチクレームは、引用形式を解除した場合の実質的な請求項の数が指数関数的に増加することから、第三者による監視や審査処理に過度な負担を生じさせる要因となるという問題があります。これまで、米国、中国、韓国においては制限されていましたが、日本では認められていたため、各国制度に応じたクレーム形式の記載とする必要があることで出願人の負担が増大する、特許審査ハイウェイ等を用いたときクレーム形式に対する拒絶理由により権利化までの期間を要する場合がある、といった問題もありました。
マルチマルチクレームが制限されると、国際的調和の観点から出願人の負担が減る一方で、クレームを一纏めに従属させることができなくなるために、クレーム数が増えることが予想されます。そのため、これまで以上に、本当に必要な権利かどうかを見極めてクレームを検討する必要があります。

(日本弁理士会中国会 弁理士 C.D)

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