知財コラム

「弁理士の相談対応」

2022年5月時点で、筆者が弁理士になってから17年目になります。これまで相談会場で不特定の方から様々な相談をお受けしてきました。その相談は、発明の特許性や商標の登録性等、日常的に実務をしていれば回答可能なものが多い一方で、それらの知識のみでは回答が困難な内容について相談されることもあります。
例えば、会社を設立するあたり、それに関連して商標権の取得を希望している相談者から、商標に関する事項とともに会社の設立に関する事項についても相談を受けた場合、会社設立自体については司法書士や弁護士の方が最終的に対応されることになるため、そのことを伝えるとともに、相談内容が自分の業務の範囲外であることを伝えることは必要なように思います。しかし、その相談者が、会社設立について、世間話程度に弁理士に情報提供を求めている場合もあり、上記のような回答のみでは不十分な場合があり、また、それらの事項にいて、ある程度把握しておかないと、相談の全体像がつかめないため、商標に関する回答自体も不十分になる場合があるように思います。
すなわち、社会が複雑化している現代においては、相談者の知財に関する悩みは、それのみで完結しないケースが多々あり、そのような悩みに対してもある程度は対応できるようにしておくことが相談を頻繁に受ける弁理士に求められるスキルの1つであるように個人的には感じています。上述した例であれば、会社法の知識が必要であり、具体的には、設立したい会社が株式会社又は持分会社の何れであるのかによって話す内容が変わりますし、さらに、株式会社の設立にあたっては発起設立又は募集設立の2種類があることも説明した方が丁寧なように思われます。
以上、今回は、弁理士が相談業務を行うにあたって求められるスキルについては考えてみました。

(日本弁理士会中国会 弁理士 河野 生吾)

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