知財コラム

「リメイク品の落とし穴」

先日、有名ブランドのジーンズをバッグにリメイクして販売しようとしていた人が、商標権侵害で逮捕されたというニュースを目にしました。どうやらリメイクしたバッグには、商標登録されている、そのブランドのロゴやタグが付されていたようです。当人は「悪意はなかった」などと言っているようですが、当然それでは済まされません。

ところで環境省によると、日本の家庭から焼却・埋め立てされる服は年間約 48 万トンにのぼり、これは平均すると1日あたり大型トラック約 130 台分の量になるそうです。こうした背景や製造にかかるエネルギー使用量などから、ファッション産業は環境負荷が非常に大きい産業であるとして、サステナブルへの取り組みが強く求められています。衣服の廃棄問題への取り組みとして、古着を回収してリメイクするプロジェクトやビジネスも急速に広がりをみせています。私も、たんすに眠っている古い着物を、廃棄するのではなくドレスにリメイクしてもらおうかと思案しているところです。

さて冒頭の事件、もう履かなくなったジーンズを捨てずにその生地を使ってバッグにリメイクするということ自体は問題なく、むしろサステナブルの意にも適っていたのです。ただ問題は、商標登録されているブランドのロゴやタグを付して販売しようとした、ということなのです。これはアウトです。
また、リメイクした商品にブランドのロゴやタグを付していなくても、生地にプリントされている図柄自体が商標登録されていたり、商品全体の形態や一部分の形態が意匠登録されていたりすることもあります。
リメイク品を製作・販売する場合は、他人の権利侵害とならないよう十分に気を付けつつ、サステナブルファッションに取り組んでいただきたいと思います。

(日本弁理士会中国会 弁理士 T.S)

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