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知財コラム

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「元気な個人発明家さんのお話」

2017.12.06

鳥取県で事務所をかまえて3年目となりますが、先日、私の事務所で代理させて頂いた案件で権利化第一号となる特許が設定登録されました。
その特許権者はなんと90歳前の元気な個人発明家の方です。その方は、健康関連器具をご自身で発明、設計及び製作されております。また、ご自身で展示会に出展され、宣伝広告の冊子などもご自身で準備されます。その方のご活動を見ていると、発明創作も長生きの秘訣の一つなんだと考えさせられます。
更に感心させられるのは、知財権の取得に関してかなり積極的なマインドをお持ちであることです。ご自身が開発された製品を世の中に出すにあたっては、何かしらの知財権を取得しておかないと安心しないと常に言われます。現在は、かなり処分されたそうですが、今までにも複数の特許出願をなされ、米国においても特許権をお持ちであったそうです。
その方にそのマインドの所以を伺ったところ、地方には今よりも弁理士が少なく知財に関する情報も少ない中、以前にご自身が創作された発明品で大変悔しい思いをされたのだそうです。
もちろん、特許を取ったからといってその製品が売れるとは限りません。しかし、その方のように悔しい思いをしないよう、発明やデザインなどご自身で創作された知財を守るということを常に念頭に入れておくことは、商売(ビジネス)を展開させる上でとても重要なことだと思います。
私も弁理士として、そのようなマインドを少しでも多くの経営者、開発者、発明家の方々に持って頂けるように努力をしなければと思う今日この頃です。

(日本弁理士会中国会 弁理士 田中 俊夫)