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「元日の出願」

2018.01.10

特許や商標を出願すると出願番号が付与されます。出願番号は年単位で付与されますので、その年の最初の出願番号(例えば、特願20××-1)が付与される出願は年明け最初の出願ということになります。何となく縁起が良さそうで、年明け最初の出願を狙う人がいるかもしれません。現在ではオンライン出願が主流となっており、年明け最初の出願を狙って、元日にオンラインで提出した出願がありそうです。過去10年間の特許と商標について、元日の出願をJ-PlatPat(特許情報プラットホーム)で調べてみました。なお、PCT出願(国際出願)の国内移行や書面による出願は除いてあります。
まず特許ですが、平均すると毎年3~4件が元日に出願されています。意外と少ないですね。これが4日以降になると大幅に増加します。なお、出願取下や出願却下の関係かと思いますが、一桁の出願番号の中には欠番となっている(J-PlatPatでヒットしない)ものも存在します。次に商標ですが、年によって差が大きいものの平均すると毎年5件程度が元日に出願されています。これも意外と少ないですね。ただし、登録に至らなかった出願はJ-PlatPatから消えてしまいますので、実際にはもう少し多いかもしれません。
ひょっとすると元日に多くの出願があるのかと思っていましたが、そうでもないようです。これなら年明け最初の出願も狙えそうな気がしてきます。日付が替わった瞬間に送信すれば・・・でもよく考えると、年明けすぐに出願できるということは、年末には準備が整った状態ということですよね。特許も商標も最先に出願した者が優先される先願主義ですので、年末に準備が出来たのなら、すぐに出願するのが原則だとは思いますが・・・

(日本弁理士会中国会 弁理士 信末 孝之)